食品工場や病院などのボイラに使用する薬品は、安全性に留意した原料を用いる必要があります。用いられる配合原料としては、食品添加物、FDA記載品、食品などがあります。 |
食品添加物は、「食品衛生法」という法律で定義されています。この法律に従って、食品衛生法施行令、施行規則、食品・添加物等の規格基準等で、食品添加物にかかわる様々な取り決めが定められています。 この食品衛生法の第4条第2項で、「この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。(食品衛生法では「食品添加物」を単に「添加物」という) |
日本では、食品添加物の安全性と有効性を確認して厚生労働大臣が指定した「指定添加物」、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」のほかに、植物、動物を起源とする「天然香料」や通常食品では添加物的な使用をする「一般飲食物添加物」に分類されています。 |
FDA(Food and Drug Administration:食品医薬品局)とは、食品や医薬品、化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカの政府機関です。 FDAのなかで「食品への使用を認められる二次的直接食品添加物」の特定使用添加物としてボイラ水添加物が決められており、このリストに記載されている原料を使用することにより、ボイラ蒸気の安全性を確保することができます。 |
食品添加物のみで構成されたボイラ薬品は、原料各々は食品添加物であっても、製品自体は食品添加物ではなく工業薬品となりますので、食べることはできません。食品添加物にはそれぞれ使用できる条件や添加濃度などが定められています。 例えば、ボイラ薬品のアルカリ剤として使用される水酸化ナトリウムは食品添加物ですが、一方では医薬用外劇物(5%以上含有の場合)でもあり、製品としては強アルカリ性となります。 |